弁護士の年収はいくら?開業独立と勤務弁護士の給与や収入を比較!
- INDEX
-
-
弁護士の平均年収はどれくらい?全体・年齢別の傾向
-
弁護士の年収は働き方でどう変わる?勤務・独立・インハウス比較
-
事務所規模・経験年数別のリアルな年収感(実務ベース)
-
弁護士の年収は下がっている?近年の傾向
-
個人受任・副業で収入を増やすことも可能
-
弁護士のキャリアは年収だけで決めるべきではない
-
まとめ:弁護士の年収は「働き方とキャリア」で大きく変わる
-
弁護士と聞くと、「年収が高い職業」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
実際に、数千万円規模の収入を得ている弁護士も存在します。
しかし、その一方で、すべての弁護士が高収入というわけではありません。弁護士の年収は、勤務か独立か、事務所の規模、専門分野、さらには個人の営業力などによって大きく変わります。
また、近年は企業内で働く「インハウス弁護士」も増えており、働き方の選択肢が広がっていることも、年収の幅が広がる要因の一つといえるでしょう。
本記事では、弁護士の「収入(売上ベース)」に焦点を当て、平均的な年収の傾向から、働き方ごとの違い、実務感に基づく年収イメージまでをわかりやすく解説します。
転職を検討している方にとって、現実的な年収水準を把握する一助となれば幸いです。
弁護士の平均年収はどれくらい?全体・年齢別の傾向
ここでは、弁護士全体の平均的な年収水準や、年齢・所属による違いについて見ていきます
弁護士全体の収入水準
弁護士の年収は、一般的に高い水準にあるといわれていますが、その実態は「平均値だけでは語れないほど幅が広い」のが特徴です。
日本弁護士連合会が公表している弁護士白書によると、弁護士の収入の中央値は約1500万円、平均は約2000万円前後とされています(参考:弁護士白書2023)。
※弁護士白書2023掲載データを参考に、当社にて独自に再グラフ化しています。
ただし、これはあくまで全体の平均像にすぎません。実際には、数百万円台から数千万円以上まで収入レンジは大きく分かれており、平均値だけで実態を把握することは難しいのが実情です。
特に、独立している弁護士や高単価案件を扱う弁護士は平均を大きく上回る一方で、若手やインハウス弁護士などは比較的落ち着いた年収帯にとどまることもあります。
このように、弁護士の年収は「平均いくら」と一言で表せるものではなく、所属やキャリアによって大きく異なる職種である点をまず押さえておきましょう。
年齢・経験年数別の年収の傾向
弁護士の年収は、一般的には経験年数とともに上昇する傾向があります。
若手のうちは固定報酬が中心となるケースが多いものの、経験を積むにつれて担当できる案件の幅が広がり、売上や報酬に応じた収入が増えていきます。中堅以降になると、歩合やパートナー報酬などの影響も大きくなり、年収が大きく伸びるケースも見られます。
もっとも、「経験年数=年収」と単純に比例するわけではありません。同じ年次でも、所属事務所の規模や分野、営業力、ポジションによって収入は大きく異なります。
弁護士白書でも、年齢が上がるにつれて収入が上昇する傾向は見られるものの、そのばらつきの大きさも指摘されています(参考:弁護士白書2023 )。

※弁護士白書2023掲載データを参考に、当社にて独自に再グラフ化しています。
そのため、弁護士の年収を考える際には、単に年数だけでなく、「どのような環境で、どのような案件を扱っているか」といった点が重要になります。
所属(法律事務所・インハウス)による違い
弁護士の年収は、所属によっても大きく異なります。
一般的には、法律事務所に所属する弁護士の方が、企業内弁護士(インハウス弁護士)と比べて高収入になりやすい傾向があります。弁護士白書でも、所属形態によって収入に差があることが示されています(参考:弁護士白書2020 )。
※弁護士白書2020掲載データを参考に、当社にて独自に再グラフ化しています。
特に、大手事務所や外資系事務所では、若手の段階から比較的高水準の報酬が設定されていることもあります。
一方で、インハウス弁護士は企業に雇用される立場であるため、年収は一定のレンジに収まることが多く、法律事務所に比べるとやや低めになる傾向があります。ただし、その分、福利厚生や雇用の安定性、働き方の柔軟さといったメリットがあります。
このように、弁護士の年収は単純な金額だけでなく、「収入の高さ」と「働き方・安定性」のバランスによって大きく左右される点も特徴といえるでしょう。
弁護士の年収は働き方でどう変わる?勤務・独立・インハウス比較
ここまで見てきたとおり、弁護士の年収は所属や働き方によって大きく異なります。ここからは、それぞれの働き方について、収入の仕組みや特徴をもう少し具体的に見ていきましょう。
勤務弁護士の年収
勤務弁護士の年収は、所属する法律事務所の規模や地域によって大きく異なります。
一般的に、大手法律事務所や外資系事務所では高水準の報酬が設定されており、若手の段階から年収1000万円を超えるケースも見られます。
一方で、中小規模の事務所では、固定報酬をベースとしつつ、経験や実績に応じて収入が伸びていくケースが多く、年収レンジにも幅があります。
また、法律事務所によっては、固定報酬に加えて歩合が支給される場合もあり、担当案件の売上によって年収が大きく変動する点も特徴です。
さらに、事務所の方針によっては個人受任が認められていることもあり、自身で受任した案件を通じて収入を増やすことも可能です。
このように、勤務弁護士は「所属する事務所」と「自身の売上」によって年収が大きく変わる働き方といえるでしょう。
開業弁護士の年収
開業弁護士の年収は、他の働き方と比べても特に幅が大きいのが特徴です。
一般的には、年収1000万円〜1500万円程度が一つの目安といわれることもありますが、実際には数百万円台にとどまるケースから、数億円規模の収入を得るケースまで、大きな差があります。
この違いを生む主な要因は、案件の獲得力や専門分野、顧客基盤、そして経営力です。開業弁護士は、自ら案件を獲得し、事務所を運営していく必要があるため、法律知識だけでなく、営業力やマーケティングの視点も求められます。
その分、軌道に乗れば高収入を実現できる可能性がある一方で、収入が安定するまでに時間がかかるケースもあります。
このように、開業弁護士は「収入の上限がない反面、リスクもある」働き方といえるでしょう。
インハウス弁護士の年収
インハウス弁護士は、企業に雇用されて働くスタイルであり、一般的な会社員に近い収入体系となります。
年収水準としては、法律事務所に所属する弁護士と比べるとやや低めになる傾向がありますが、一般的な企業の中では高水準の待遇となるケースも多く見られます。その分、給与は安定しており、賞与や福利厚生が整っているケースが多いのが特徴です。
また、企業内での法務業務が中心となるため、突発的な対応や長時間労働が比較的少なく、ワークライフバランスを重視した働き方が可能な場合もあります。
近年は企業内弁護士の人数も増加しており、キャリアの選択肢の一つとして注目されています。
このように、インハウス弁護士は「収入の高さ」よりも「安定性や働きやすさ」を重視する方に適した働き方といえるでしょう。
事務所規模・経験年数別のリアルな年収感(実務ベース)
ここまで見てきたとおり、弁護士の年収は平均値だけでは実態を捉えにくいのが特徴です。
実際の転職市場や求人動向を踏まえると、事務所の規模や経験年数によって、おおよその年収レンジが見えてきます。
以下では、実務ベースでの目安となる年収感を紹介します。
1~3年目の年収イメージ
若手のうちは、所属先によって年収水準が大きく左右されます。
例えば、大手法律事務所や外資系事務所では、年収1100万円〜1800万円程度と比較的高い水準からスタートするケースも見られます。
一方で、中規模事務所では700万円〜1200万円、小規模事務所では450万円〜1000万円程度と、レンジに幅があります。
小規模事務所の場合、固定報酬に加えて歩合が付くこともあり、売上次第では年収1000万円前後に到達するケースもあります。
また、インハウス弁護士の場合は500万円〜800万円程度が一つの目安となり、事務所勤務と比べるとやや抑えられた水準になる傾向があります。
このように、キャリア初期は「どの環境でスタートするか」が年収に大きく影響します。
5年前後の年収イメージ
経験を積むにつれて、担当できる案件の幅が広がり、年収のレンジも大きく広がっていきます。
大手・外資系事務所では1500万円〜2500万円程度、中規模事務所でも1000万円〜2500万円と、個人の実績やポジションによって差が出始めます。
小規模事務所では550万円〜2000万円程度と幅が広く、固定報酬に加えて歩合の影響が強くなる時期です。
たとえば、報酬1000万円+歩合で最終的に2000万円前後に到達するケースも見られます。
インハウス弁護士の場合は700万円〜1500万円程度が一つの目安であり、企業の規模やポジションによってはさらに上振れすることもあります。
この時期は、転職や専門分野の選択によって年収が大きく変わりやすいタイミングでもあります。
10年目以降の年収イメージ
10年目以降になると、キャリアやポジションによって年収差がさらに大きくなります。
大手・外資系事務所では2500万円以上、場合によっては数億円規模に達するケースもあります。
中規模事務所でも1500万円以上のレンジが見られ、パートナーに昇格すれば大きく収入が伸びる可能性があります。
小規模事務所では800万円〜3000万円程度が一つの目安となりますが、独立や個人受任の状況によってはそれ以上の収入となることもあります。
また、インハウス弁護士でも900万円〜2500万円程度と、ポジション次第では高年収を実現することが可能です。特に、マネジメント層や専門性の高いポジションでは、より高額なオファーが出るケースもあります。
この段階では、「どのようなキャリアを歩んできたか」がそのまま年収に反映されるといえるでしょう。
年収は個人差が非常に大きい点に注意
ここまで紹介した年収レンジは、あくまで一つの目安です。
実際には、同じ経験年数であっても、所属先や専門分野、営業力、ポジションによって年収は大きく異なります。
同期の弁護士同士でも、数倍以上の差が生じることも珍しくありません。
そのため、「平均年収」や「一般的なレンジ」だけで判断するのではなく、自身のキャリアや志向に応じた年収イメージを持つことが重要です。
弁護士の年収は下がっている?近年の傾向
ここまで見てきたように、弁護士の年収は幅が広く、個人差が大きい職種です。では、全体として見ると、弁護士の年収は近年どのように変化しているのでしょうか。
統計上はやや減少傾向
弁護士白書のデータを見ると、弁護士全体の収入は、2008年頃をピークに緩やかな減少傾向が見られます(参考:弁護士白書2023)。
※弁護士白書2023掲載データを参考に、当社にて独自に再グラフ化しています。
もっとも、これはあくまで全体平均の推移であり、すべての弁護士の年収が一様に下がっているわけではありません。実際には、高収入を維持・拡大している層も一定数存在しており、あくまで「全体としての傾向」として捉える必要があります。
背景として考えられる要因
弁護士の年収が緩やかに変化している背景としては、いくつかの要因が考えられます。
まず、弁護士人口の増加です。弁護士白書でも、弁護士数は長期的に増加していることが示されており、競争環境は以前と比べて変化しています(参考:弁護士白書2025)。
※弁護士白書2025掲載データを参考に、当社にて独自に再グラフ化しています。
また、企業内で働くインハウス弁護士の増加も一因と考えられます(参考JILA企業内弁護士数遷移)。インハウス弁護士は、法律事務所に比べて年収が一定レンジに収まりやすいため、全体平均に影響を与えている可能性があります。
※JILA「企業内弁護士数推移データを参考に、当社にて独自に再グラフ化しています。
さらに、近年はインターネットの普及により、依頼者が法律事務所を比較・選択しやすくなっています。その結果、価格やサービス内容での競争が生じやすくなり、案件単価に影響している可能性もあります。実務の現場でも、こうした変化を実感する場面は少なくありません。
もっとも、これらはあくまで全体的な傾向の一部であり、すべての弁護士に当てはまるものではありません。実際には、専門性を高めたり、分野を選択したりすることで、高い収入を維持・実現しているケースも多く見られます。
個人受任・副業で収入を増やすことも可能
ここまで見てきたとおり、弁護士の年収は所属や働き方によって大きく異なります。
もっとも、弁護士の収入は「所属先からの報酬」だけで決まるわけではありません。
弁護士には、個人で案件を受任したり、副業的に業務を行ったりすることで、収入を増やす余地があります。
たとえば、法律事務所に所属している場合でも、事務所の方針によっては個人受任が認められており、自身で受任した案件の報酬を得ることが可能です。このようなケースでは、固定報酬に加えて収入を上乗せできるため、働き方次第で年収を大きく伸ばすこともできます。
また、近年では、企業で働きながら副業として法律業務に関与するなど、多様な働き方も見られるようになっています。
ただし、個人受任や副業の可否・条件は、所属する事務所や企業によって異なります。
経費の扱いや設備の利用、事務職員の関与の可否、さらには利益相反(コンフリクト)の管理など、事前に確認すべき点も少なくありません(参考:「弁護士の個人受任はコンフリクトに要注意!」)。
そのため、個人受任や副業を検討する場合は、所属先のルールを十分に確認したうえで進めることが重要です。
このように、弁護士は働き方によって収入をコントロールできる余地がある職種です。年収を考えるうえでは、所属先の条件だけでなく、「どのように収入を積み上げていくか」という視点も重要になるでしょう。
弁護士のキャリアは年収だけで決めるべきではない
ここまで見てきたとおり、弁護士の年収は働き方やキャリアによって大きく変わります。もっとも、キャリアを考えるうえで重要なのは、年収だけではありません。
法律事務所:高収入だがハードな働き方
法律事務所に所属する弁護士は、比較的高い収入を得やすい傾向があります。特に、大手事務所や外資系事務所では、若手の段階から高水準の報酬が設定されているケースもあります。
一方で、案件対応の負荷が大きく、長時間労働になりやすい点や、売上を意識した働き方が求められる点には注意が必要です。
個人事業主に近い側面もあり、成果がそのまま収入に反映される働き方といえるでしょう。
インハウス:安定と働きやすさ
インハウス弁護士は、企業に雇用される形で働くため、収入は一定のレンジに収まりやすいものの、安定性や働きやすさが魅力です。
福利厚生や社会保険が整っているほか、業務内容も比較的安定しており、ワークライフバランスを重視した働き方が可能なケースも多く見られます。
そのため、「収入の最大化」よりも「安定した働き方」や「長期的なキャリア形成」を重視する方に向いている選択肢といえるでしょう。
独立開業:収入も働き方も自由
独立開業は、収入の上限がなく、自分の裁量で働き方を決められる点が大きな魅力です。
一方で、案件の獲得や事務所運営をすべて自分で行う必要があり、収入が安定するまでに時間がかかることもあります。
また、経営面の判断やリスク管理も求められるため、法律業務以外のスキルも重要になります。
自由度が高い反面、責任も大きい働き方といえるでしょう。
キャリアは総合的に考えることが重要
このように、弁護士のキャリアにはそれぞれメリット・デメリットがあります。
年収は重要な要素の一つではありますが、それだけで判断するのではなく、
・どのような分野の案件に関わりたいか
・どのような働き方をしたいか
・将来的に独立を目指すのか
・プライベートとのバランスをどう考えるか
といった観点も含めて、総合的に検討することが大切です。
自分に合ったキャリアを考えるうえでは、まず自己分析を行い、何を重視するのかを明確にすることが重要です。自己分析については、「【弁護士向け】キャリアに活かせる「自己分析」の方法とは|弁護士に特化したエージェントがオススメする自己分析手法を実例を踏まえて解説」の記事をご参照ください。
また、弁護士業界の年収水準や求人動向は、一般には見えにくい部分も多くあります。転職を検討する際には、エージェントに相談しながら、自身のキャリアビジョンと年収のバランスを考えていくことも有効です。
まとめ:弁護士の年収は「働き方とキャリア」で大きく変わる
弁護士の年収は、平均だけを見ると高水準に見えますが、実際には数百万円台から数千万円以上まで非常に幅が広いのが特徴です。
その差を生む主な要因は、働き方や所属先、経験年数、専門分野、そしてキャリア選択にあります。
勤務弁護士・インハウス・独立といった選択によって、収入の水準や伸び方は大きく異なります。
また、個人受任や副業といった形で収入を上乗せできる余地がある点も、弁護士という職種の特徴の一つです。
一方で、年収だけにとらわれてキャリアを選択すると、働き方や将来の方向性とのミスマッチが生じる可能性もあります。そのため、どのような分野で、どのような働き方をしたいのかを踏まえたうえで、総合的に判断することが重要です。
転職を検討する際には、年収水準だけでなく、自身の志向やキャリアビジョンを整理しながら、自分に合った選択をしていきましょう。
また、こうした志向やキャリアの方向性を整理する際には、転職エージェントの活用も有効です。相談ベースでも利用できるため、客観的な視点を取り入れながら、自分に合ったキャリアを見つけるきっかけとして活用してみるのもよいでしょう。
C&Rリーガル・エージェンシー社では、弁護士のキャリアや転職市場に関する情報提供やアドバイスを行っています。キャリアに悩んでいる段階でも利用できますので、将来の方向性を整理するきっかけとして、ぜひご活用ください。
なお、弁護士として年収を上げるための具体的な方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。
「弁護士が年収を上げるには?高年収を狙う転職先・必要スキル・注意点を解説」